キャンプを始めたばかりの人が見落としがちな必須装備が「キャンプマット」です。「寝袋だけでなんとかなる」と思いがちですが、実際は地面の冷たさや硬さで眠りが浅くなりやすいもの。ここでは、マットの役割から種類ごとの特徴、初めての一枚を失敗なく選ぶコツ、代表的なモデルの使いどころまでをまとめます。
キャンプマットの役割と必要性
地面からの冷気を遮断
夜の地面は季節を問わず冷えます。寝袋だけでは接地面の熱が奪われ、体温がじわじわ低下。マットは断熱層として冷気の侵入を防ぎ、体の冷えを抑えるための“土台”です。
地面の硬さを緩和
小石や根の突起、微妙な段差でも、朝起きたときの腰や肩の痛みにつながります。マットで体圧を分散すれば、寝返りがしやすく、回復度がはっきり違ってきます。
R値とは?
R値(熱抵抗値)は断熱性能の指標で、数値が大きいほど冷えに強くなります。地域や標高にもよりますが、まずは3シーズン用途でR値2〜3程度を目安に。寒い時期は上位モデルか重ね使いで底上げしましょう。冷え込みの考え方は秋キャンプの防寒対策も参考になります。
種類と特徴(3タイプ)
クローズドセル(いわゆる銀マット)
軽くて丈夫、濡れてもすぐ使える扱いやすさが魅力。収納サイズは大きめですが、破れ・パンクの心配がほぼなく、座布団や追加断熱としても万能です。
インフレータブル(自動膨張式)
スポンジ内蔵でバルブを開くと自動で膨張。寝心地と収納性のバランスが良く、初めてのアップグレードに向きます。
エアマット
空気のみで膨らませる超軽量・コンパクト派。厚みで寝心地は良好ですが、断熱は製品差が大きく、パンク対策や重ね使いの工夫が鍵です。
比較表|3タイプのざっくり傾向
| 種類 | 寝心地 | 断熱性 | 収納性 | 価格帯 | 耐久性 |
|---|---|---|---|---|---|
| クローズドセル | △ | △ | △ | ◎ | ◎ |
| インフレータブル | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ○ |
| エアマット | ◎ | △〜○ | ◎ | ○ | △ |
※◎:非常に良い、○:良い、△:普通(あくまで一般傾向。製品により差があります)
初心者が失敗しない選び方
最初の一枚は“扱いやすさ優先”
迷ったらクローズドセルから。濡れ・汚れに強く、設営撤収が速いので失敗が少ないです。寝心地をさらに求めるなら、次の一歩で空気系に。
移動手段で選ぶ
オートキャンプは厚めや大判でOK。徒歩・電車・バイク移動は軽量コンパクトなエアマットが有利です。
ソロかファミリーか
ソロは携行性と調整幅を重視。ファミリーは設置のラクさと連結のしやすさを優先し、自動膨張式が快適です。具体例はファミリーキャンプにおすすめのマットで解説しています。ソロ装備はソロキャンプに最適なマットで解説しています。
よくある失敗と対策
「銀マットなしで冷えて眠れない」「安価な薄手で腰が痛い」「朝起きたらエアが抜けていた」——どれも典型例です。対策は、①尖った石や枝を除去、②予備の断熱(クローズドセルの重ね使い)を準備、③エア系は就寝前に硬さ再調整と漏れチェック、の三点。これだけで快適性は段違いです。設営前の地面選びや整地の考え方はキャンプサイト配置術が参考になります。
おすすめキャンプマット
1. キャプテンスタッグ EVAフォームマット
クローズドセル(いわゆる銀マット)の代表格。EVAフォームの凹凸で体圧を分散し、地面の細かな凸凹や冷えを確実に和らげます。巻き癖がつかずサッと広げられるので、設営・撤収が速いのも利点。濡れても拭けばすぐ使えるため、朝露や雨撤収でも扱いやすい一枚です。
携行性はインフレータブルやエアマットに劣るものの、破れやパンクの心配がほぼなく、座布団や断熱の“追いマット”としても多用途。
寝袋の下にまずこのマット、必要に応じて空気系を上に重ねると、断熱と寝心地のバランスが取りやすくなります。車移動なら外付けで持ち運びやすく、切って枕や腰当てに流用できる自由度も魅力。まずは失敗しにくい基礎の1枚として、常備しておくと安心です。
2. Naturehike インフレータブルマット
スポンジを内蔵した自動膨張式。バルブを開けば自然に空気が入り、最後だけ数回の吹き入れで硬さを微調整できます。クローズドセルに比べて体圧分散が高く、ゴツゴツした地面でも腰や肩の負担が軽く感じられるのが魅力。厚みと収納性のバランスが良く、オートキャンプはもちろん公共交通の移動でも現実的なサイズに収まります。
複数枚を面ファスナーやスナップで連結できるタイプなら、家族での就寝レイアウトが作りやすいのも利点です。運用上は、設営前に地面の尖った石を避け、撤収時にバルブを開けて“巻いて→広げて→巻く”を2〜3回繰り返すと、素早く小さくなります。
濡れた日は陰干しで十分に乾かすこと、長期保管は軽く膨らませた状態で折り癖を避けることが長持ちのコツです。季節は3シーズン中心、冷え込みが強い日はクローズドセルと重ね使いを。
3. FIELDOOR エアマット(枕一体型)
空気のみでふくらませる軽量・コンパクト派。厚みが出せるため寝姿勢が安定し、横向き寝でも肩や腰が沈み込みにくいのが特徴です。収納サイズはボトル程度まで小さくなるものが多く、徒歩・電車・バイク移動との相性が抜群。付属のポンプバッグを使えば衛生的かつ短時間で膨らませられ、口吹き込みによる内部結露も抑えられます。
一方でパンクやバルブの不具合には注意が必要。設営時は小石や枝を除き、グラウンドシートの上に敷く、就寝前に硬さを再調整する、修理パッチを常備する、といった運用でリスクは大きく下げられます。
断熱は製品ごとの差が大きいため、冷え込みが予想される日はクローズドセルを下に重ねる“二層構成”が無難。枕一体型は高さ調整の幅が広く荷物も減らせます。軽量性を軸に、重ね使いで断熱を補う運用がハマる一枚です。
メンテナンスと保管のコツ
エア漏れチェックと補修
空気系は出発前に“耳でチェック”。微小な漏れは就寝中の沈みにつながります。補修パッチは常備し、現地でもすぐ対応できるようにしておきましょう。
湿気に注意して保管
使用後は完全乾燥が鉄則。特にスポンジ入りは内部が乾きにくいので陰干しを十分に。長期保管はゆるく巻くか軽く膨らませ、折り癖を避けると寿命が延びます。
まとめ
快眠は翌日の体力と判断力を守ります。まずは断熱の“土台”としてクローズドセル、次に寝心地を上げる空気系、必要に応じて重ね使い。移動手段と季節に合わせて選べば、初めてのキャンプでも安定した一夜をつくれます。
購入前に寝心地や収納サイズを一度つかみたい場合は、レンタルで試してから決めると後悔が減ります。TENTAL(テンタル)
あわせて、「買う/借りる/中古/借りてから買う」を迷わず決める基準は、キャンプ用品レンタルの判断基準と借り方に整理しています。

