キャンプの撤収は「ただ片付ける」だけではありません。濡れたまま収納すればカビや劣化につながり、火元の処理が甘ければ事故の原因に。さらに撤収に時間がかかりすぎると、帰り道に疲労が残ってしまいます。
この記事では、初心者が失敗しがちな撤収の落とし穴を避けつつ、乾燥・汚れ対策・時短パッキングを同時に実現する方法をまとめます。
撤収は前夜から始まっている
撤収をスムーズに進めるためには、前夜の準備が欠かせません。テントのフライを少し緩めて風通しを確保したり、濡れたものを一箇所にまとめておくことで、翌朝の乾燥作業が格段に楽になります。
撤収は「当日の朝に一気に片付ける」よりも「前夜から逆算して段階的に動く」ほうが効率的です。
撤収タイムラインの基本
チェックアウトが11時であれば、起床前後から少しずつ作業を進めるのが理想です。起床直後にまずペグやグランドシートを外して乾かし、朝食後にテント本体を陰干し。残り30分で収納とサイトの最終点検を行う流れにすると、時間切れの焦りがなくなります。
撤収しやすいサイトの配置はキャンプサイト配置術でも詳しく触れています。
撤収タイムライン(チェックアウト11:00想定)
- 前夜:濡れ物を一箇所に集約/フライを少し緩めて通気/翌朝に干しやすい配置へ
- 起床〜朝食前:ペグ抜き→フライ単体干し→グランドシート拭き
- 朝食後:テント本体の水滴を落とす→拭き→陰干し
- 出発30分前:収納完了→火元の最終確認→サイトの地面スイープ
乾燥の基本
結露や夜露の処理
テントやタープは、夜露や結露で必ず濡れています。
まず軽く揺らして大きな水滴を落とし、マイクロファイバークロスで拭き取り、風に当てて乾かすのが基本の三段階。天気が良ければ朝食中に広げて干しておきましょう。
雨撤収の対応
雨の日は完全乾燥が難しいため、濡れ物袋にまとめて仮収納し、帰宅後24時間以内に必ず全乾燥します。
収納袋とは別に「濡れ物専用バッグ」を持っていくと、他のギアへの水移りを防げます。
- 濡れ物は専用バッグに分離(他ギアと混ぜない)
- テントはフライ・インナー・ポールを別々に袋へ(再乾燥を前提)
- 車載は濡れ物を最後に積む(出しやすい位置)
- 帰宅後24時間以内に全乾燥→完全乾燥後に本袋へ戻す
泥汚れ・砂・油汚れの処理
グランドシートやテント底面には泥や砂が付着しやすいもの。
撤収時は外側と内側を分けて畳み、帰宅後に水洗いするのが安心です。ペグやポールはその場でざっと水拭きして乾拭きし、メンテ用の袋に分けて収納しましょう。
食器やクッカー類の油汚れは、キッチンペーパーで拭き取ってから持ち帰ると片付けが格段に楽になります。
火元の完全鎮火と灰の処理
焚き火や炭の片付けは、もっとも注意すべき撤収作業です。
水をかけただけでは内部が高温のまま残っていることもあります。安全に鎮火するには、火消し壺の使用が有効です。炭を密閉して酸欠状態にすることで、安全に消火でき、翌日の再利用も可能です。
焚き火台は触れる温度まで冷ましてから灰を取り除き、持ち帰るか指定の方法で処理します。直火禁止のサイトでは「焚き火痕ゼロ」が基本。凹んだ地面は均し、痕跡を残さないように心掛けましょう。焚き火台自体の選び方は焚き火台の解説記事が参考になります。
時短パッキングの工夫
3箱方式
撤収を早くするには、荷物を「乾燥待ち」「乾燥済み」「汚れ物」の3つに分類して収納するのがおすすめです。分類ごとにコンテナやバッグを決めておけば、帰宅後の片付けもシンプルになります。
- Box A(乾燥待ち):フライ・濡れロープ・濡れウェア(通気する袋)
- Box B(乾燥済み):テント本体・寝具・キッチンの清潔物
- Box C(汚れ物):泥付きペグ・ポール・焚き火まわり(メンテ袋同梱)
車載は「重い物は奥下/次に使う物は最後に積む」を徹底すると、到着時も撤収時も動線が詰まりません。
スタッフサックの色分け
寝具・キッチン・小物などカテゴリーごとに色や形の違うスタッフサックを使うと、撤収時に迷わず収納できます。
出発前の車載時は、重い物を奥下に、使用頻度が高い物は最後に積み込むと取り出しやすく、到着後もスムーズに設営できます。
子ども連れとソロの違い
ファミリーキャンプでは役割分担が重要です。子どもには小物の回収を任せ、大人は火元や乾燥作業を担当するなど、分担を明確にすると撤収が早まります。チェックカードを使うと忘れ物防止にも役立ちます。
ソロキャンプの場合は、片付け順をルーティン化しておくと効率的です。タープ→キッチン→寝具→テントの順に片付ける流れを毎回繰り返せば、時間のロスを最小化できます。
忘れ物を防ぐ最終チェック
撤収の最後に行うべきは「地面スイープ」。三方向からサイトを歩いて確認すると、落ちているペグや小物に気づきやすくなります。落ち葉を戻し、砂利をならすなど原状回復も忘れずに。
帰宅後のルーティン
濡れたまま収納したギアは帰宅後24時間以内に必ず完全乾燥させましょう。
テントやタープは広げて陰干し、ペグやロープも乾かしてから収納袋に戻します。必要に応じて補修や補充を行い、次回のキャンプに備えて「不要だった物」「足りなかった物」をメモしておくと、荷物の最適化につながります。
よくある失敗Q&A
Q. 雨撤収でカビが発生してしまった
仮収納袋を分けずに入れたのが原因。必ず濡れ物専用に分け、帰宅後は即乾燥しましょう。
Q. 炭が再発火した
完全な鎮火ができていないと翌日も熱を持ち続けます。火消し壺で密閉し、手で触れられる温度まで冷えているか確認してください。
Q. 時間切れで撤収が間に合わなかった
前夜から乾燥・分解を始め、撤収を段階的に進めましょう。動線設計の工夫も重要です。
まとめ
撤収は「乾燥・清掃・鎮火・パッキング・点検・帰宅後乾燥」という流れを守ればスムーズに進みます。焦らず段階的に進めることで、快適さと安全性、そして時短を同時に実現できます。次のキャンプでは、まず前夜の準備から取り入れてみてください。

