メスティンは、炊飯・蒸し料理・簡単なおかずづくりまでこなせる便利なクッカーです。一方で、「火加減が難しそう」「焦がしてしまいそう」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、メスティンでご飯をおいしく炊く基本の手順と、キャンプで試しやすい炊き込みご飯・蒸し料理レシピのアイデアをまとめました。これからメスティンを買う方・すでに持っているものの使いこなせていない方のどちらにも役立つよう、実用的なポイントに絞って解説します。
なお、「洗い物をできるだけ減らしたい」「調理から片付けまでをコンパクトにしたい」といった視点については、「洗い物を減らすキャンプ料理術|ホイル焼き・ワンポットで片付けが楽に」で詳しくまとめています。メスティンも含めたキャンプ料理全体の効率化を考えたい方は、あわせてご覧ください。
メスティンとは?基本スペックとメリット・デメリット
メスティンの特徴とできること
メスティンは、アルミ製の四角い飯盒のようなクッカーです。フタ付きのシンプルな構造ながら、次のような調理に幅広く使えるのが特徴です。
- 白ご飯・炊き込みご飯などの炊飯
- 蒸し野菜・シュウマイ・冷凍食品のあたためなどの蒸し料理
- レトルトカレーやスープの湯煎
- ちょっとした炒め物・簡単おかず
四角い形状のため、バーナーや固形燃料の上にも安定して置きやすく、収納時もザックやボックスのすき間に収まりやすいのが大きなメリットです。一方で、アルミ製ゆえに火加減を誤ると焦げつきやすいという面もあり、基本の炊飯手順を押さえておくことが重要になります。
メリット・デメリットの整理
メスティンの長所・短所を、簡単に整理しておきます。
- メリット
・炊飯から蒸し料理まで、1台でこなせる万能性
・固形燃料との相性が良く、ほぼ放置で炊飯できる
・軽量でコンパクト、ソロキャンプや登山にも持って行きやすい - デメリット
・アルミゆえに焦げつきやすく、火加減に慣れが必要
・四角い形状のため、フライパンのような「焼き物」にはあまり向かない
・フタが完全な密閉ではないため、持ち運び時に汁物を入れておくのには不向き
クッカー全体の選び方や、メスティン以外の鍋・フライパンとの役割分担については、「キャンプ用クッカーの選び方|初心者におすすめのモデルと使い方」でも整理しています。「メスティン以外にどんな鍋が必要か」を考える際の参考にしてみてください。
メスティンでご飯をおいしく炊く基本ステップ
1合炊きの基本手順と水加減・浸水時間の目安
まずは、最も出番の多い「お米1合」を想定した基本の炊き方を整理します。ここでは固形燃料・バーナーのどちらでも応用しやすい手順にまとめています。
- ① お米をとぐ
お米1合をメスティンに入れ、軽くとぎます。キャンプ場で水を大量に使うのが気になる場合は、家でといでから保存容器に移し、現地では浸水だけ行う方法もあります。 - ② 水加減
通常はお米1合に対して水200ml前後が目安です。メスティンに目盛りがついている場合は、それに従えば問題ありません。固めが好みならやや少なめ、やわらかめが好みならやや多めに調整します。 - ③ 浸水時間
炊き上がりの差を大きく左右するのが浸水です。
・春〜秋:30分程度
・冬:最低でも40〜60分
を目安に、水を吸わせてから火にかけます。気温が低いほど時間を長めにとると、芯の残りにくい仕上がりになります。 - ④ 強火〜沸騰まで
フタをして中火〜やや強火にかけます。フタのすき間からフツフツと蒸気が上がり、軽くカタカタと音がし始めたら沸騰のサインです。 - ⑤ 弱火で加熱
沸騰したら弱火に落とし、そのまま10〜12分程度加熱します。固形燃料を使う場合は、一般的な25gタイプなら燃え尽きるまで弱火相当で加熱されるため、ほぼ放置で問題ありません。 - ⑥ 火を止めて蒸らし
火を止めてから10〜15分ほど、フタを開けずにそのまま蒸らします。タオルでくるんだり、シェラフの上に置いたりして保温しながら蒸らすと、冷めにくくふっくら仕上がります。
最初の数回は、家のコンロで同じ手順を試し、炊き上がりの好みを掴んでおくと安心です。
ありがちな失敗パターンとリカバリー方法
メスティン炊飯でよくある失敗と、その原因・対処法を簡単にまとめます。
- 芯が残る(固い)
・浸水時間が短い
・水の量が少ない
・弱火時間が短い
→ 少量の水を足して再度ごく弱火にかけるか、ラップをかけて電子レンジで短時間加熱するとある程度はリカバリーできます。次回以降は浸水時間を長めに見積もっておくと安定します。 - ベチャッとしている
・水の量が多すぎる
・蒸らし時間が長すぎる
→ 一度フタを開けて余分な蒸気を逃がし、軽くほぐしてから再度フタをして少し置いておくと、多少は水分が飛びます。次回は水を気持ち少なめにするのが無難です。 - 底が焦げついた
・強火で加熱しすぎた
・弱火時間を長く取りすぎた
→ 焦げ自体はキャンプの味として楽しむのも一つですが、こびりつきがひどい場合は、お湯を張ってしばらく置き、木べらなどで優しくこそげ落とします。次回は「沸騰したらしっかり弱火」を意識すると安定します。
失敗を恐れるより、家で2〜3回試して「自分の火加減のクセ」を掴んでおくことが、キャンプ本番での成功率アップにつながります。
炊き込みご飯・蒸し料理など簡単メスティンレシピ例
具材を変えて楽しむメスティン炊き込みご飯
炊き込みご飯は、具材と調味料を一緒に入れて炊くだけで、キャンプらしい特別感を出せるメニューです。基本の味付けを決めておき、具材を変えてアレンジするとレパートリーが増やしやすくなります。
- 基本の味付け(お米1合分)
・水:やや少なめ(具材から水分が出るため)
・醤油:大さじ1
・みりん:大さじ1
・だし(顆粒):小さじ1/2〜1 - 具材の例
・鶏もも肉+ごぼう+にんじん(王道の炊き込みご飯)
・ツナ缶+コーン(子ども向けのやさしい味)
・ベーコン+きのこ類(大人向けの香りを楽しむ組み合わせ)
具材は大きすぎると火が通りにくくなるため、1〜2cm角程度を目安に小さめにカットしておくと安心です。子どもと一緒に楽しむ場合は、辛味や香りの強いスパイスは控えめにし、テーブルの上であとがけできるようにしておくと調整しやすくなります。
蒸し野菜・シュウマイ・冷凍食品の簡単蒸し料理
メスティンは蒸し料理との相性も良く、ちょっとした一品やおつまみ作りにも重宝します。底に水を張り、網やアルミホイルで具材を浮かせておくことで、簡易蒸し器として使えます。
- 蒸し野菜
・ブロッコリー、にんじん、じゃがいもなどを一口大にカット
・底に水を少量入れ、野菜を乗せてフタをして加熱
・塩・オリーブオイル・マヨネーズなど、好みのソースで - 市販シュウマイ・肉まん
・パックのままではなく、少し間隔をあけて並べる
・底の水が切れないように弱火でじっくり
・冷凍タイプは表示時間より少し長めに蒸すと安心です - 冷凍食品の“蒸し焼き”
・冷凍唐揚げや餃子などを並べて少量の水を加える
・フタをして中火→水分が飛んできたら弱火に切り替え
・表面に軽く焼き色をつけると香ばしさが出ます
こうした「温め直し」系のおかずをうまく使うと、調理の手間を抑えつつ、子どもの満足度も高めやすくなります。缶詰やレトルトを活用したキャンプ飯のアイデアについては、「【キャンプ飯】缶詰・レトルトで作る“洗い物少なめ”簡単アレンジ集」もあわせて参考にしてみてください。
シーン別メスティン活用例(ソロ・ファミリー・冬キャンプ・車中泊)
ソロキャンプ:メスティン+バーナーで一日をまわす
ソロキャンプでは、荷物を減らすために「メスティン+小型バーナー+マグカップ」程度に絞るスタイルもよく選ばれます。朝はスープとパン、昼は簡単な麺料理、夜は炊き込みご飯とおかずといった具合に、「メスティン1つでどこまで回せるか」を試してみるのも楽しみ方の一つです。
ファミリーキャンプ:ラージメスティンで主食をまとめて炊く
家族でのキャンプでは、標準サイズに加えてラージサイズのメスティンがあると、ご飯2〜3合をまとめて炊けて便利です。標準サイズは炊き込みご飯やおかず用、ラージサイズは白ご飯用といったように役割分担しておくと、メニューも組み立てやすくなります。
子どもがいるファミリーキャンプでのメニューづくりの考え方や、ウケの良い定番メニューについては、「子どもが喜ぶキャンプご飯|簡単メニューのアイデア集」も参考になります。メスティン料理と組み合わせて、無理のない献立を組んでみてください。
冬キャンプ・車中泊:浸水時間と保温を意識した使い方
冬のキャンプや車中泊では、気温が低いぶん浸水時間を長めに取り、炊き上がり後の保温を意識することがポイントになります。冷えた状態のまま短時間で炊き始めると芯が残りやすいため、「到着したらまず浸水だけ先に始めておく」といった段取りが有効です。
また、冬キャンプ全体の料理づくりのイメージや、身体を温める鍋・スープ・ホットドリンクのレシピは、「冬キャンプ料理レシピ集|身体が温まる鍋・スープ・ホットドリンク」で詳しく紹介しています。メスティン炊飯と組み合わせれば、寒い季節でも無理のない献立が組み立てやすくなります。
車中泊キャンプの場合は、火気の扱いや換気にいっそう注意が必要です。メスティン自体は便利な道具ですが、車内での使用は一酸化炭素中毒や火災リスクが高くなるため、原則として屋外で安全を確保しながら使うことをおすすめします。冬の車中泊キャンプ全体のポイントについては、「冬の車中泊キャンプのすすめ|寒さ対策・寝床づくり・結露防止の完全ガイド」もあわせてご覧ください。
初心者が意識したい選び方のポイント
すでにメスティンを持っている方はそのまま使い慣れていくのが一番ですが、「これから1台買いたい」という場合には、次の3つの軸で選ぶと失敗しにくくなります。
- サイズ
・ソロ中心か、ファミリーで使うか
・一度に何合炊きたいか(1合/1.5合/2〜3合など) - 熱源との相性
・固形燃料メインか、ガスバーナーメインか
・家庭用コンロでも試したいかどうか - 目盛り・フタ形状・ハンドルの仕様
・内側に目盛りがあると水加減が分かりやすい
・フタのかぶさり具合(蒸気の抜け方)
・ハンドルが持ちやすく、収納時にかさばらないか
ソロキャンプが中心であれば標準サイズのメスティン1つから始め、ファミリーキャンプやグループでの利用が増えてきたら、ラージサイズを追加するというステップアップもおすすめです。
初心者向けおすすめ3選
これからメスティンを購入する方向けに、入手性が安定していて扱いやすい「失敗しにくい定番モデル」を厳選して紹介します。どれも炊飯・蒸し料理・炒め物まで幅広く使えるため、最初の1台として安心して選べます。
1. トランギア「メスティン TR-210」|基準となる定番モデル
迷ったらまずコレと言える世界的に定番のメスティンです。アルミの厚みがちょうどよく、炊飯・蒸し・炒めが安定して行えます。ネット上のメスティンレシピの多くがこのモデルを基準に作られているため、初心者が最も情報を得やすいのが大きなメリットです。
- 1〜1.8合に対応し、ソロ・デュオ向けに最適
- 焦げ付きにくく火が通りやすい
- レシピや使い方情報が最も豊富
- 軽量で荷物にならない
最初の1台に最も適した“基準モデル”です。
PR このリンクには広告・アフィリエイトを含みます。
2. キャプテンスタッグ「ラージメスティン」|深さがあり万能に使える
国内アウトドアブランドによる、深めで使いやすい万能型メスティンです。深さがあるため、炊き込みご飯やインスタント麺、蒸し料理など幅広い調理に対応。国内メーカーらしい丁寧な作りで、密閉性も安定しており扱いやすいモデルです。
- 深さがあるため吹きこぼれしにくい
- 蒸し料理・麺料理との相性が良い
- 価格が安定しており買いやすい
- 国内メーカーで品質が安定
炊飯だけでなく、“なんでも一つで済ませたい”タイプのキャンパーと相性が良いメスティンです。
PR このリンクには広告・アフィリエイトを含みます。
3. milicamp「メスティン(目盛り付き)」|初心者向けで扱いやすい高コスパモデル
内部に目盛りがついているため炊飯が極めて安定し、初心者が失敗しにくいメスティンです。付属品として蒸し網が最初から入るモデルがあり、炊飯・蒸し・焼きがひとつで完結します。Amazonでも長期的に安定して流通しているモデルです。
- 内部に目盛りがあり水加減をミスしにくい
- 蒸し網付きモデルの汎用性が高い
- コスパが良く買い足しも容易
- 在庫が安定しており入手しやすい
「まだメスティンの炊飯に自信がない」という方に特に向いています。
いずれのモデルも、今回紹介した炊飯テクニックやレシピと相性が良く、キャンプの料理幅が大きく広がります。最初は1台から始め、慣れてきたら用途別に買い足すのもおすすめです。
PR このリンクには広告・アフィリエイトを含みます。
焦げつき・後片付け・メンテナンスのコツ
焦げつきを減らすためのひと工夫
メスティンで避けて通れないのが焦げつき問題です。完全にゼロにすることは難しいものの、次のようなポイントを意識することで、かなり軽減できます。
- 強火にかけっぱなしにせず、沸騰を確認したらしっかり弱火に落とす
- 炊き込みご飯やおかず料理では、油を薄くなじませてから具材を入れる
- 焦げつきやすいメニューでは、クッキングシートやアルミホイルを敷く
洗い物を増やさない片付け方
キャンプ場では水場が遠かったり、洗い物の数を減らしたかったりと、家と同じようにしっかり洗えない場面も多くあります。その場合は、次のような「段階的な片付け」を意識すると負担が軽くなります。
- 食後すぐに、キッチンペーパーで大きな汚れを拭き取る
- ぬるま湯を少量入れて少し置き、柔らかくしてからスポンジで軽くこする
- 家に帰ってから、中性洗剤であらためてしっかり洗う
調理全体での洗い物を減らしたい場合の考え方や、ほかの調理器具との役割分担については、前述の「洗い物を減らすキャンプ料理術|ホイル焼き・ワンポットで片付けが楽に」もあわせてご覧いただくと、全体のイメージが掴みやすくなります。
まとめ|メスティンは“キャンプ飯の練習台”として最適
メスティンは、炊飯・蒸し料理・レトルトのあたためなど、キャンプ飯の基礎となる調理をひと通りこなせる便利なクッカーです。最初の数回だけ火加減に注意すれば、その後は「ほぼ同じ手順」で安定した仕上がりを得られるようになります。
失敗を避ける近道は、キャンプ本番の前に家で2〜3回試しておくことです。炊飯と簡単なおかず作りに慣れておけば、キャンプ当日は「焼く・温める・盛り付ける」に集中でき、ほかの作業や子どもとの時間にも余裕が生まれます。
メスティンを「キャンプ飯の練習台」として活用しながら、ご自身のスタイルに合った調理リズムを見つけていただければと思います。

