冬キャンプの楽しみのひとつが、身体の芯から温まる「キャンプ飯」です。冷たい空気の中で立ちのぼる湯気や、鍋を囲んで食べる時間は、ほかの季節とはまた違う充実感があります。一方で、冬ならではの注意点を押さえておかないと、「思ったより温まらない」「調理に時間がかかりすぎて冷えてしまう」といった失敗にもつながりやすくなります。
この記事では、冬キャンプに向いた鍋料理・スープ・ホットドリンクのレシピと、寒い環境でも失敗しにくい調理のコツをまとめてご紹介します。全体の寒さ対策や装備の考え方は、別記事の「冬キャンプの寒さ対策&必須防寒ギア完全ガイド」とあわせてチェックしていただくと、よりイメージしやすくなります。
冬キャンプ料理の基本方針と注意点
レシピに入る前に、冬キャンプの料理ならではのポイントを整理しておきます。寒い時期は「温かくておいしい」だけでなく、「短時間で作れて片付けも楽」「食べている間に身体が冷えにくい」ことが重要になります。
- 調理時間はできるだけ短く:長時間火のそばに立ち続けると、足元や背中から冷えやすくなります。事前カットや下ゆでなどで時短を意識します。
- 具材はシンプルに・種類を絞る:種類が多すぎると準備と片付けの手間が増えます。1品あたり4〜5種類程度に絞ると扱いやすくなります。
- 「温まりやすい食材」を優先:根菜類、きのこ、肉や魚、ショウガやネギなど、身体を内側から温めやすい食材を中心に組み立てます。
- 水分量をコントロール:スープや鍋は水分が多いほど温まるまで時間がかかります。少なめの水量で味をまとめると効率的です。
- 洗い物を増やしすぎない:寒い中での洗い物は負担になりやすいため、鍋一つ・マグ一つで完結できる構成を意識します。
手間を減らして効率よく温まる料理を作りたい方は、缶詰・レトルト簡単アレンジ集も参考になります。
また、バーナーやストーブ周りの安全対策も冬キャンプでは重要です。特にテント内やシェルター内での火器使用は一酸化炭素中毒のリスクがあるため、基本的には「火器は屋外、もしくは十分な換気が確保できる前室・タープ下で使用する」という原則を徹底しましょう。
冬キャンプ向き鍋料理レシピ
鍋料理は「一つの鍋で完結する」「具材を変えるだけでバリエーションが出しやすい」「身体が温まりやすい」と、冬キャンプとの相性がとても良いメニューです。ここでは、キャンプ場でも作りやすい3パターンをご紹介します。
① しょうゆベースのシンプル寄せ鍋
和風だし+しょうゆをベースにした、王道の寄せ鍋です。万人受けしやすく、ごはんとも相性が良いので、ファミリーキャンプにも向いています。
材料(2〜3人分の目安)
- 鶏もも肉:200〜250g(ひと口大にカット)
- 白菜:1/8玉程度(ざく切り)
- 長ネギ:1本(斜め切り)
- しめじ・えのきなどのきのこ:1パック分
- 豆腐:1丁(さいの目)
- だし汁:600ml程度(顆粒だし+水でOK)
- しょうゆ:大さじ3
- みりん:大さじ2
- 酒:大さじ2
- お好みでショウガすりおろし:小さじ1
作り方
- 鍋にだし汁と調味料(しょうゆ・みりん・酒・ショウガ)を入れ、中火で温めます。
- 煮立ってきたら鶏肉を入れ、アクを軽く取り除きます。
- 白菜の芯・長ネギ・きのこを加え、ふたをして5〜7分ほど煮ます。
- 最後に豆腐と白菜の葉を入れ、ひと煮立ちしたら完成です。
ショウガを加えることで、身体が内側から温まりやすくなります。〆はうどんやごはんを入れて雑炊にすると、鍋一つで完結するメニューになります。
② トマトチーズ鍋(パンにも合う洋風テイスト)
パンやショートパスタとも相性が良い、洋風のトマト鍋です。酸味がマイルドで食べやすく、子どもがいるファミリーキャンプにもおすすめです。
材料(2〜3人分の目安)
- ウインナーまたは鶏もも肉:200g
- キャベツ:1/6玉(ざく切り)
- 玉ねぎ:1/2個(薄切り)
- しめじなどのきのこ:1パック
- カットトマト缶:1缶(400g)
- 水:200ml程度
- 固形コンソメ:1〜2個
- オリーブオイル:大さじ1
- とろけるチーズ:好きなだけ
- 塩・コショウ:少々
作り方
- 鍋にオリーブオイルを入れ、ウインナー(または鶏肉)と玉ねぎを軽く炒めます。
- カットトマト缶・水・コンソメを加え、中火で煮立てます。
- キャベツ・きのこを加え、ふたをして10分ほど煮込みます。
- 味を見て、塩・コショウで整えます。
- 仕上げにとろけるチーズを乗せ、ふたをして数分蒸らして溶かせば完成です。
パンを添えれば「スープ+メイン」を一皿で兼ねられます。残ったスープにごはんやパスタを入れれば、リゾット風やパスタとしても楽しめます。
③ 豆乳ごま鍋(まろやかで身体が温まりやすい)
豆乳ベースの鍋は、身体を内側から温めやすく、スープまで飲み干したくなるやさしい味わいです。ごまの風味で満足感も高くなります。
材料(2〜3人分の目安)
- 豚バラ薄切り:200〜250g
- 白菜・長ネギ・きのこなど:適量
- 豆腐:1丁
- 無調整豆乳:400ml
- だし汁:200ml
- 白だし:大さじ3〜4
- すりごま:大さじ2〜3
- お好みでラー油・七味唐辛子:少々
作り方
- 鍋にだし汁と白だしを入れ、火にかけます。
- 白菜の芯やネギ、きのこを先に入れて軽く煮ます。
- 豆乳を加え、沸騰させないよう弱めの中火に調整します。
- 豚肉と豆腐、白菜の葉を加え、火が通るまで煮ます。
- 仕上げにすりごまを加え、味を整えます。好みでラー油や七味を少量かけて完成です。
豆乳は強く沸騰させると分離しやすいため、「沸騰させない」のがポイントです。弱めの火で、じんわり温めながら食べ進めるイメージで楽しみましょう。
煮込み系の料理をもっと楽しみたい場合はダッチオーブン本格料理ガイド もおすすめです。
身体が温まるスープレシピ
鍋ほどのボリュームは要らないときや、メインのおかずにもう一品足したいときは、具だくさんのスープが便利です。ここでは、作りやすくアレンジしやすい2種類をご紹介します。
④ 根菜たっぷり和風スープ
大根・ニンジン・ゴボウなどの根菜類は、冬キャンプと相性の良い食材です。事前に自宅でカットしてジッパーバッグに入れておけば、現地では鍋に入れて煮るだけで完成します。
材料(2〜3人分の目安)
- 大根・ニンジン・ゴボウ:合わせて200〜250g(いちょう切り・ささがきなど)
- ベーコンまたは薄切り豚肉:50〜100g
- 長ネギ:1/2本
- だし汁:600ml程度
- しょうゆ:大さじ1〜1.5
- みりん:大さじ1
- 塩:少々
- お好みでショウガすりおろし:小さじ1
作り方
- 鍋にだし汁と根菜類を入れ、中火でコトコト煮ます。
- 火が通ってきたら、ベーコン(または豚肉)と長ネギを加えます。
- しょうゆ・みりんを加え、味を見ながら塩で整えます。
- 仕上げにショウガを加えると、より身体が温まりやすくなります。
根菜類は煮込むほど甘みが出てくるので、他の作業をしながら弱火でじっくり煮込むのもおすすめです。
⑤ インスタントを活用したクラムチャウダー風スープ
手軽さを優先したい場合は、市販のコーンスープやポタージュの素に具材を足して「ちょっと手をかけた一品」に仕上げるのも良い方法です。ここでは、クラムチャウダー風のアレンジ例をご紹介します。
材料(2人分の目安)
- 市販のポタージュスープの素:2袋
- アサリ水煮缶:1缶
- 玉ねぎ:1/4個(みじん切り)
- 牛乳または豆乳:200ml
- 水:200ml
- バター:10g(あれば)
- 塩・コショウ:少々
作り方
- 鍋にバターを溶かし、玉ねぎを軽く炒めます。
- 水と牛乳(または豆乳)を加え、温まってきたらスープの素を溶かします。
- アサリ水煮缶を汁ごと加え、ひと煮立ちさせます。
- 味を見て、塩・コショウで整えれば完成です。
スープの素を使うことで、調味料をあれこれ持ち込まなくて済むのがメリットです。パンを添えれば、朝食や軽めの昼食にも使いやすいメニューになります。
ホットドリンクで仕上げの一杯を
食事の最後や寝る前の時間に、一杯のホットドリンクがあるだけで「温まり方」が大きく変わります。ここではキャンプ場でも作りやすい3種類をご紹介します。
⑥ シナモン入りホットミルクココア
市販のココアパウダーを活用しつつ、少しだけアレンジを加えたホットドリンクです。甘さと香りでリラックス効果も期待できます。
材料(1人分の目安)
- ココアパウダー(または調整ココア):適量
- 牛乳:150〜180ml
- 砂糖:お好みで
- シナモンパウダー:ひと振り
小鍋で牛乳を温め、ココアと砂糖を溶かしてからシナモンをひと振りするだけです。焦げ付きやすいので、火力は弱めを意識します。
⑦ ホットレモネード(しょうが入り)
風邪予防にも役立つホットレモネードは、冬キャンプの定番にしておきたい一杯です。ショウガを少し加えると、身体がより温まりやすくなります。
材料(1人分の目安)
- レモン果汁(ポッカレモンなどでも可):大さじ1
- ハチミツまたは砂糖:大さじ1
- おろしショウガ:小さじ1/2程度
- お湯:150〜180ml
マグカップに材料を入れ、お湯を注いでよく混ぜれば完成です。レモンとショウガの組み合わせは、冷え切った身体を内側からほぐしてくれます。
⑧ ノンアルでも楽しめる「ホットワイン風」ドリンク
アルコールが苦手な方や子どもでも楽しめる、「ホットワイン風」のアレンジです。ぶどうジュースをベースにスパイスを加えることで、雰囲気のある一杯になります。
材料(1〜2人分の目安)
- ぶどうジュース:200ml
- レモン薄切り:数枚
- シナモンスティックまたはシナモンパウダー:少々
- お好みでクローブやスターアニス:少量
小鍋にぶどうジュースとスパイス類を入れ、沸騰させないよう弱火でじっくり温めます。マグに注いでレモンを浮かべれば、見た目にも冬らしい一杯になります。
冬キャンプ料理を快適にする段取りと片付けのコツ
冬キャンプで料理を楽しむためには、メニューそのものだけでなく「段取り」と「片付け」の工夫も大切です。とくに寒い時期は、片付けが長引くほど身体が冷えやすくなります。
- 野菜は自宅でカットしてジッパーバッグへ:現地では鍋に入れるだけにしておくと、手先がかじかむ前に調理を終えられます。
- 調味料は「小分け+ラベリング」:よく使うしょうゆ・みりん・白だしなどは、小さなボトルに詰め替えて持っていくと迷いません。
- メニュー数は「夕食1〜2品+朝は簡単」に絞る:夕食で温かい鍋やスープをしっかり食べて、朝はスープの残り+パンやおにぎりといった構成にすると楽になります。
- 油の使用は最小限に:油汚れの多いフライパンは洗い物の負担が増えます。冬場は「鍋+スープ中心」で構成すると片付けが軽くなります。
- 食後すぐに軽い片付けを:食器や鍋は、冷めきる前にペーパーで拭き取っておくと、洗浄がぐっと楽になります。
寝る前には、暖房器具の片付けや寝床の準備も含めた「就寝前ルーティン」を作っておくと安心です。寝具周りの考え方や就寝時の工夫は、「冬キャンプの寝袋完全ガイド」の中でも詳しく触れていますので、あわせて確認しておくと全体の流れを組み立てやすくなります。
まとめ:冬キャンプ料理は「温かさ」と「段取り」が鍵
冬キャンプの料理は、難しいテクニックよりも「身体が温まるメニューを、無理なく作れる段取り」が何より重要です。鍋料理・具だくさんスープ・ホットドリンクを組み合わせることで、少ない道具と時間でも、満足度の高い食事を作ることができます。まずは今回ご紹介したレシピをベースに、好みの具材や味付けを少しずつアレンジしてみてください。
無理のない範囲で装備とメニューを整えながら、冬ならではの静けさと澄んだ空気の中で、温かいキャンプ飯の時間を楽しんでみてください。

